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ピーターとメリージェーン

今日は一応抜歯した翌日だし一人で静かに過ごそうと思って朝からアマゾンプライムビデオを見ることにしました。朝イチでモザイクジャパンというWOWOWの力作ドラマを見て、そこから歯の消毒などの野暮用を幾つか済ませたあとドラゴンタトゥーの女をようやく見ました。ドラゴンタトゥーの女デビッド・フィンチャー版)はいつか見たいと思っていながら相当長い間スルーしてたのですがやはり素晴らしい作品で、引き込まれるように見てしまいました、多分もう1回見ます。しばらく放心したあとにそれじゃあBGV的に昔見た作品でも垂れ流しておこうかなと思い、何の気なしに過去何度も見たスパイダーマン2を見ることにしました、スパイダーマン系の作品の中では良くも悪くも一番毒にも薬にもならない作品だと感じていたのがスパイダーマン2だったからです。そうしたらやはり映画なりの作品というのは見る人の状況によってこうもがらりと印象が変わるのかと思うくらい見え方受け止め方が変わるもので、BGVのつもりがガン見してしまうほどひきこまれてしまったので、その勢いで作品のあらすじをしたためてみようとおもいました。以下そういうことです。

 

あらすじ
彼には心から好きな女性がいました。しかし彼の置かれた境遇とその境遇の中で育まれた自分らしさは彼女を不幸にしてしまうだろうという思いから彼女とあえて距離を置き、彼女に思いを告げることも自分らしさをさらけ出すこともそのどちらも出来ないジレンマのなか悶々とした日々を送っていました。そして彼女もそんな彼に対してすれ違いや壁のようなものを感じ、彼との距離が出来ていくのを感じながらもどうにもできないでいる中ほかにボーイフレンドができました。
心から愛する彼女なのに思いを告げることも自分らしさをさらけ出すこともできないことに苦悩した彼は、次第に自分らしさを失っていき、知人のアドバイスもあり自分らしさにこだわることをやめて普通の人になることを決めました。普通の人になることを決めた彼は心から生き生きとし、普通であり何者でもない不格好な自分が本当の自分だと感じそれをすがすがしく受け止めるようになります。それはとてもすがすがしい瞬間でした。彼の脳内には"Raindrops keep falling on my head" が流れ、その曲の歌詞とメロディのニュアンスのように雨の中で笑顔で踊るような複雑なしかし底抜けのすがすがしさに彼は包まれました。そんなすがすがしい思いで彼は彼女に告白をしますが、彼女は半ばそれを信じられず、そして彼女にとって彼は変わったと感じたものの同時に彼の魅力を失ってしまったように感じ、その思いを受け入れることができませんでした。彼は自分の境遇から目を背けて新しい自分らしさを手に入れて幸せになろうとし、苦悩からの開放感を得ることはできたのですが愛する彼女への思いを遂げるということは大事なところで叶わなかったのでした。
その後彼は親戚のアドバイスを受け、自分らしくあることや自分らしさを世のために活かすことの大切さを説かれて改めて自分らしく生きようと試みますが、世のため人のためというアドバイスではどうにも取ってつけたようで力半分も出ませんでした。しかし、心から愛する彼女のために自分の自分らしさが力になれると感じた時、彼は熱意と力でみなぎります。彼は、彼女に自分を"受け入れてもらう"とかではなくて彼女のために自分の自分らしさが"役に立てる"ことに生きがいとジレンマの解消を見つけることができ、彼は自分の境遇や自分らしさを全面的に受け入れることができました。彼はそのとき力にあふれていました。
その後、半ば偶然に、彼は全面的に発揮してしまった自分らしい自分の姿を彼女に晒してしまいますが、彼女は彼のその姿を受け入れます。そして彼女はボーイフレンドを捨て、自分らしくある彼とともに一緒に生きようと決意します。彼女にとっても自分の中のその気持を受け入れた時、作中でもっとも幸せに満ちた一点の曇りもない笑顔を見せます。
彼にとって自分の境遇と自分らしさが愛する彼女を不幸にしてしまうだろうというジレンマは完全に消えたわけではありませんでしたが、自分らしさを受け入れてもらったことの幸せを噛みしめて心は宙を舞い、絶叫したいほどの喜びに包まれます。彼女も彼の自分らしさを受け止めることの苦しみも噛み締めつつ、自分の選択を受け入れる決意をします。おしまい。


今の僕にとっては脳内にRaindrops(略)が流れそして自分らしさなんてかなぐり捨てて普通のどこにでもいるありふれたnobodyな人間になって自分の思いを真正面から正直に伝えることのできた彼の清々しい気持ちが僕の胸に貫通するくらい刺さった。伝えることができない思いを胸に抱えて生きるのはつらいって作中でも誰かが言ってた。言ってたのはうそ。言ってないけどそういうこと。