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liberteenしゅんすけのブログ

自分の備忘録です。

撮影の番外編 縦撮りと横撮り

動画編集のやりかた

スマホで動画を撮影するとき、縦で撮るか横で撮るか悩むケースもあるかもしれません。この命題に結論はありませんが、見る側と作る側の観点から少し考察します。

 

見る側の観点で言うと、スマホが普及してきたことで、「スマホで見るなら縦動画のほうが良いんじゃないか」という議論が2015年の後半ごろから2016年の前半ごろまでなされていたように感じます。実験的な試みとしての縦動画作品が動画広告やミュージックビデオで幾つか作成されたり、業界の中では少し話題になっていました。しかし2017年初頭の現時点において縦動画が定着したかというとそうも言えなさそうです。FacebookInstagramTwitterでは縦動画より正方形動画のほうが主流であり、私の個人的な感覚で言うと、量的には横>正方形>縦の順ではないかと感じます。縦より正方形のほうが良い理由としてはスマホ画面の上下端にはいろいろなインタフェースや操作ボタンが付いているので、それらのインタフェースを邪魔しないでできるだけ大きく表示させるには正方形が最適という結論になったのではないかと思います。見る際にスマホを横にするのが面倒かどうかという議論でいえば、どちらにせよフルスクリーンで見るにはそれ以外のスマホの操作を一時的に一切中断する覚悟を強いることになるため、それ相応に没入したいと感じさせるような作品そのものの質が問題なのであって、よしフルスクリーンで見るぞ、没入するぞという意気込みになった視聴者にとってはスマホを横に傾けることはすでに些細なことなのではないかと思っています。

 

作る側の観点で言うと、動画を縦で撮影する場合と横で撮影する場合では、動画の内容自体が大きく影響を受けます。横に広い構図は、人間が普段持っている視野である横型の楕円形と近く、情景全体を描写するのに適しています。また、人物を複数配置したり、人物と別の被写体を共存させやすいため、それらの関係性を通じて出来事や物語を描くのに適しています。いっぽう、人間がなにか特定のものを注視したときの中心視野は、その一点を中心にした小さい円形になるので、縦型というより正方形の構図と近くなります。縦ないしは正方形の構図は、横構図とくらべて情景や関係性・物語性を描くよりも単一の被写体をクローズアップして描写するのに適しています。これらは写真をやっている人であれば当たり前の知識かもしれませんが、動画においても同様のことが言えます。たとえば食べ物を撮影する場合、横構図では、テーブルに並んだ料理の全体像を見せたり、その食事を楽しむ家族のだんらんを描くことが容易になります。いっぽう縦構図では、料理が乗った皿を1カットで1つずつ描写し、料理のシズル感を描いたり、あるいは料理をほおばる人物の顔をクローズアップし、その表情に目線を向けさせることが容易になります。その結果として縦動画はカタログ的となり、情景やその関係性から物語を紡ぐというよりも、一つの被写体をワンカットで描写しきるという形に寄っていきます。そういう意味で、シズリーな料理の作り方を真俯瞰のアングルから撮影し正方形の構図で仕上げているタイプのSNS料理動画は画面の特性と合ったドンピシャなスタイルだと言えるかもしれません。
どちらの構図で撮影するにせよ、カメラを向けて構図を決めるときや編集でカットを並べるときに否が応にでも両者の構図特性の違いを実感することと思います。