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liberteenしゅんすけのブログ

自分の備忘録です。

動画の編集3 仕上げ

調理工程を終え視聴者目線と伝え手目線のバランスが取れた動画に対して最後に行う仕上げ行程について説明します。ここでも初心者を想定した基本的な作業を説明します。
まず先に申し上げておくと、調理までの行程で十分に面白く見やすい作品が出来上がったとすればこの仕上げの行程は行う必要はありません。仕上げの行程は、動画をさらに分かりやすくして多くの人に楽しんでもらえるためにする補助的な作業であって編集の本質ではありません。もし仕上げの行程を行わないと映像が面白くないと感じたら、あるいは仕上げの行程で見違えるように作品が良くなったように感じたとしたら、それはそれまでの行程をちゃんと行わなかったことの裏返しですから、前行程に戻って仕事をやり直すべきです。

 

仕上げの工程で主におこなうのは、BGM当て、字幕&タイトル置き、ビデオエフェクトなどです。
BGMは、そこで起きている出来事の雰囲気や情緒をより一層際立たせるために、同じような雰囲気や情緒を想起させる音楽を選んで置きます。話者が喋っているときはBGMの音量を逐一下げて戻すのを繰り返すのがベストですが、面倒であったり編集ソフトの都合でそれができない場合は、話者の喋りを遮らない程度まで全体の音量レベルを下げます。BGMがその作品で撮影された出来事の体験や記憶と密接に結びついている場合などは、その場の情感を更に引き立てる強力な演出として機能しますが、BGMに依存しすぎると出来の悪いミュージッククリップのようになってしまい、雰囲気だけはは音楽のおかげでとても良いものの内容は全く味がしないということになりかねません。とくに先にBGMありきで編集行程そのものをスタートしてしまうと音楽に完全に依存した芯の細い作品になりますので注意が必要です。

字幕やタイトルについては、作品を伝える相手が外国人の場合は話者の喋り全てに翻訳字幕を置いていく必要がありますが、そうでなければ出来事が起きた日時、場所、登場人物をタイトルまたはクレジットに記載しておくくらいで十分です。演出上の工夫として一部のセリフを字幕化するかどうかは人それぞれの好みです。外国人の視聴者も意識してYoutubeで動画をアップする場合は、Youtubeの字幕機能がとても使いやすく多言語対応も容易なので、動画編集ソフトで字幕を置くよりは動画をアップしたあとでYoutubeで字幕を置いたほうが良いでしょう。

ビデオエフェクトは画面を白黒にしたりノイズを入れたり陰影を強くするなどさまざまなことができます。それによって絵を温かみのあるものにしたり、メランコリックなものにしたり、高揚感のあるものにしたりすることができます。ビデオエフェクトもBGM同様、そこで起きている出来事の情景や情緒を際立たせることができるツールですが、うっかり多用すると思い出を美化しすぎてしまったり本当はこうであってほしかったという悔恨を投影してしまうことにつながります。過剰な美化や歪曲はその日の出来事をフィクションにしてしまいせっかくの体験を嘘に変えてしまう。それは真実の体験を抱擁し愛する代わりに自身の内なる欠落や渇望の投影にすり替えてしまうことであり、気づかないうちにとても悲しいことをしてしまっているということに決して目をそむけてはいけません。ビデオエフェクトはBGMと同様に、料理の皿や盛り付け、ちょっとした彩り程度の飾り付けにすぎない、そして本質的には嘘という麻薬成分を含んでいるという戒めを持って取り扱うべきものです。

エフェクトを入れる前と入れたあとの変化を見比べて、自分の伝えたい事が明確になったか、視聴者にとって見やすくて面白い動画になったか、そのうえで出来事をフィクションにしてしまっていないか、という点を真摯に客観的に評価すればエフェクトの程よいさじ加減が見えてくると思います。もし自分のなかに色々なエフェクトを使ってみたいという好奇心や色気があるならば、自分用の習作においていちど全てのエフェクトをしらみつぶしに試し、そういった好奇心や色気をすべて吐き出しておくことをおすすめします。

 

以上で下処理から調理、そして仕上げの全ての行程の説明は終わりです。動画は一度完成させて誰かに見せた瞬間に自分の手を離れ、基本的にはそのあと二度と手を加えることはできないと思って下さい。しかし完成するということと完全であることは全く別ですからあなたの作品は一旦は出来上がったとしても、まだ手を加えられるのではないか、もっと良くなるのではないかという心残りが残るかもしれません。私もこれまで手がけた全ての作品についていちども完璧にたどり着いたことはなく常に一抹の不安や不完全さが残ります。コミュニケーショとはそもそもそういう不完全な性質を本質的に内在したものなのかもしれません。不完全であるがゆえに血が通い、最後にはその血の温もりのみが伝わるものなのかもしれません。

 

 

 

動画編集、ほんとうにおつかれさまでした。
食べやすく盛り付けられて、とってもおいしい、たっぷりの栄養と愛情が込められた素敵な料理は完成しましたか?
あなたのいちばん好きな人との、素敵な食卓が生まれますように。
あなたの思いが、届きますように。